Love Rainbow 08



さて、今回のテーマは、「誕生日」です。
みなさんは、誕生日にどんな思い出がありますか?
実は、今回の主役は、よしき自身にしました。
でも、実体験じゃないってことだけは最初に書いておきます。
というわけで、Love Rainbow 08、スタートします。

Love Rainbow Vol.08
「Happy Birthday」


2003年1月11日。
東京の羽田空港で、札幌からのお客さんを待っている、よしきとこのみがいる。
よしき「そろそろやんなぁ?」
このみ「うん。でも、みんな元気かなぁ?」
よしき「それよりも、どこまで仕上げてくれてるかでしょ。。。」
このみ「あ、きたきた。竜二君!一樹君!」
というわけで、札幌からのお客さんが到着ゲートに降りてきた。
竜二「よしきさん、このみちゃん、おはようございます。」
一樹「あ、お迎え、ありがとうございますね。」
よしき「いやぁ、当然でしょ。今回、みんなにお願いしてるんやから。
あれ?もう1人お願いしてるねんけど?どこ???」
竜二「あ、靖子さんですか?何か荷物がないとか言ってて、先行っといてって言ってた。」
このみ「靖子さん、今回の秘密兵器だからね。期待してるんだけど。」
といってたら、靖子がやってきた。
靖子「お待たせ!みんな、ゴメンね?」
よしき「靖子さん、ありがとうございます。今回参加してくださって、ホントにありがとうございます。」
靖子「あれ?よしきまで堅い挨拶なの?何か、よしきらしくないよ。笑
このみちゃん、彼氏とは順調?」
このみ「今は順調ですよ。大丈夫です。というわけで、早速スタジオへ直行しましょ。」

というわけで、羽田空港を後にして、池袋のスタジオへ向かいました。
今回5人が集まった理由。
それは、1月19日に行われる、ステージのリハーサル。
東京と札幌でお互い練習を繰り返し、今回が始めてのアンサンブル。
ホントは、1週間前にアンサンブルやってる時点で、危ないんだけどね。

というわけで、池袋のスタジオに到着。
よしき「とりあえず、練習設備は整えときました。他にいるもの、ありますか?」
靖子「大丈夫ね。で、どういう配置か、決めてる?」
このみ「とりあえず、よしきと私が前。やっぱり、Heartful Snowは2人が中心なんで。」
竜二「それより、今回どこからドラム持ってきたんですか?
札幌じゃないような設備、揃ってますよ。」
このみ「ふふん。お金かかったんだから。みんなに協力して、これだけそろえてって、お願いしてね。」
一樹「ベースも大丈夫ですね。靖子さん、エレキは大丈夫ですか?」
靖子「バッチシ。文句なし。後は、みんなのレベルの問題だね。」
よしき「というわけで、今回の話。
実は、ボイスレッスン、受けといてといったホントの理由。
1曲、みんなでつないで歌っていこうと思ってるんです。
それは、一樹がリクエストした曲ね。」
一樹「そうなんですか?僕に歌いこなせますかね?」
よしき「大丈夫。というわけで、早速練習ね!」

そんなこんだで、11日・12日は5人で練習。
12日の夜に、よしきが焼肉に招待して、士気を高めることに。
何でかって?13日は、よしきが仕事のため、4人で練習なんです。
というわけで、後ろ髪を引かれながら、よしきは家へ戻る。
13日は、何とか練習を終わらせ、札幌組の3人も、札幌へ戻っていきました。

そんなこんなで、1月18日。
今度は、よしきとこのみがステージに向かうため、羽田から札幌への飛行機に向かいました。
1時間半ほどで、新千歳空港に到着。
そこには、竜二と一樹が待ち構えてました。
一樹「よしきさん、このみちゃん、お疲れ様です。」
このみ「やっぱり、北海道は寒いね。。。」
竜二「靖子さんは、リハーサルの準備、しっかり仕切ってますから。
とりあえず、早速向かいますか。」
よしき「とりあえず、車で1時間か。ちょっと寝させてね。
昨日の夜から、ほとんど寝てないもんで。」
竜二「珍しいじゃないですか?よしきさんでも緊張してるんですか?」
このみ「飛行機の中でも、全然寝てないみたいだったしね。なんか、今回は違うみたいね。」
そんなこんだで、リハーサルのところに到着。
靖子「待ってたよー。リハーサルの設備もバッチシ。」
よしき「ありがとうございます。じゃ、通しでリハーサル、早速やってみますか?」

よしき「というわけで、みなさん、準備は整ったでしょうか?
では、早速、リハーサルをやってみたいと思います。」
ということで、朝11時から夜まで、びっちりとリハーサルに明け暮れました。
で、その夜。
靖子が石狩鍋をご馳走してくれるという事で、前夜祭。
ただし、お酒は抜きで。笑
明日の本番のために、そこだけはみんなでやめとこうという判断に落ち着きました。

で、ステージ本番当日。
朝から吹雪も収まり、まぁまぁの天気になりました。
早速、竜二が車で迎えに来て、会場のセッティングの手伝いに向かいました。
セッティングが終わったのが、午前9時。まだ、ステージまでは7時間ほどあります。
朝からもう一度、リハーサルを行い、お昼に「サンパチ」のラーメンを食べに行く。
で、その昼が終わってから、札幌の責任者(通称:ボス)がやってきました。
ボス「よしき、久し振りやね。元気?」
よしき「ボス、元気ですよ。わざわざこんな時間に来て頂いて、ありがとうございます。」
ボス「そりゃ、東京からわざわざ呼んでるんやから、当然やて。
で、今回の自信はどう?」
このみ「とりあえず、練習期間は短かったですけど、何とか頑張りました。
全力を出せるように、努力したいと思います。」
ボス「そっか。なら心配はないね。
あ、そうそう、よしきに、ちょっとしたものを持って来てあるから。
ステージ終わってからのお楽しみってことで。」
よしき「何ですか???それって?」
ボス「ま、終わってからやて。とりあえず、今日のステージ、楽しみにしてるで!」

そんなこんなで、ちょっと落ち着いた時間も終わり、ステージ本番の時間へ。
前座が始まり。そして、2組のバンドが演奏し。
そんなこんだで、よしきたちの出番がやってきました。
靖子「いくよ。みんな。久し振りのHeartful Snowの冬のステージ、最高のものにしましょ!」
このみ「今回も、素直にいきましょ!」
竜二「緊張せずに!リラックス!」
一樹「今回のステージが終わったら、ジンギスカン!」
よしき「おいおい。一樹はそれかい。笑
ま、ええわ。いくで!」

と、袖下でこんな言葉を言いながら、それぞれの立ち位置に向かいました。

よしき「みなさん、こんばんわ。Heartful Snowです。
半年振りに、この札幌に帰ってきました。
今回は、久し振りの冬のステージ、色んな恋の曲をみなさんに伝えていきたいと思います。
ま、ゆっくりとした気持ちで聴いてください。」
このみ「まずは、最初の1曲です。私の友達からのリクエスト、ここで疲労しようと思います。
誰もが失恋ってのは経験するもの。そんな時、この曲みたいな雪が切なく降るのでしょうね。『粉雪』です。聴いてください。」
というわけで、CURIOさんの「粉雪」です。
(歌ってるところは、中略します。音楽でも聴きながら、物語の続きを見てくださいね。)

一樹「ありがとうございました。続いては、僕からのリクエストです。
そう、僕には昨年から付き合ってる人がいます。
その人と付き合う事を決めたシチュエーションの曲。そんな曲を、ちょっとアレンジして、みんなで歌いたいと思います。
『冬のファンタジー』です。聴いてください。」
そう、パート分けして、みんなで歌っていく、カズンさんの「冬のファンタジー」です。

靖子「じゃ、続いては、私の友達からのリクエストを歌いたいと思います。
恋が愛に変わる瞬間、そんな時、きっとこんな想いになるんでしょう。
それは、私の友達の結婚式の時、この曲を聴いて再認識させられました。
私も、こんな人に巡り逢えたら、そう思います。
『今を抱きしめて』です。」
これもパート分けしてアレンジした、NOAさんの「今を抱きしめて」です。

竜二「では、続いては僕からのリクエストです。
意外なんですが、この曲を歌ってみようって感じました。
僕自身、あんまり恋って経験した記憶がありません。
でも、この曲を聴いた時、こんな気持ちになったこともあるなぁ。って想いました。
そう、昨年の冬、大ヒットしたこの曲です。『白い恋人達』です。」
これが実は一番苦労した、そんな曲。桑田佳祐さんの「白い恋人達」です。

よしき「最後は、よしきからのリクエストで終わりたいと思います。
そう、もうすぐ、よしきの誕生日になります。
そう、誕生日にこの言葉が言えないってこと、意外と経験あると思うんです。
そう、片思いだったから言えなかったHappy Birthday。そして、別れた後、思い出して言えなかったHappy Birthday。
そんな曲を、よしきがある曲の歌詞を変えて、歌いたいと思います。
稲垣潤一さんの『メリークリスマスがいえない』が原曲です。聴いてください。」

「ビロードの空に眠る ジュエルの星たちは
やがて 雪に変わるだろう
街では恋人たちが 特別なこの夜
永遠の愛を誓い合うよ
二人で見つけたペアリング
去年は予約して
ホテルの窓から見える雪に 乾杯したね
It’s hard to say “Happy Birthday”
君はどこで 思い出すのだろう
It’s hard to say “Happy Birthday”
帰らない時間

今夜は一人でいるよ 君以上誰かを
好きになれやしないからさ
指輪がない今の切なさも
大事にしたいのさ
あの夜の気持ちでなきゃダメさ
乾杯できない
I want to say! “Happy Birthday”
雪は誰に降るつもりだろう
I want to say! “Happy Birthday”
積もらないハート
It’s hard to say “Happy Birthday”
君はどこで 思い出すのだろう
It’s hard to say “Happy Birthday”
帰らない時間」
(ま、ほとんど歌詞は変わってないところがご愛嬌ってことで。)

そんなこんなで、拍手に迎えられて、無事にステージが終わる。
で、控え室に入って、みんなで話をしてると、ボスが入ってくる。
ボス「お疲れ様。この後は、ジンギスカンでも食べながら、ゆっくりしようや。
あ、ちょっとよしき1人にしてくれへんか?」
靖子「あ、わかりました。じゃ、みんな、とりあえず他のバンドのとこ、いきましょ。」
というわけで、ボスとよしきの2人きりになる。
ボス「実は、気づいてた?このステージに特別な人が来てた事。」
よしき「いやぁ、全く気がついてないです。」
ボス「そやろうなぁ。。。多分4年振りになるやろうから。逢うとしたら。」
そんな時、ドアをノックする音が聴こえる。
ボス「入っていいよ。どーぞ。」
優子「お久し振りだね。よし。」
よしき「え?優ちゃん?何でここにいるの?」
ボス「たまたま俺がチケット扱ってる時、よしきの話になってね。
で、特別に楽屋に来てもいいよって話になったんよ。
あ、俺は邪魔やろうから、後は2人でゆっくり。」
といいながら、ボスはそそくさと控え室を出て行きました。


優子「久し振りだね。確か、東京でいた時以来だから、4年振り?」
よしき「そうやなぁ。でも、よく札幌でステージやるってわかったなぁ。」
優子「今でも、色んなバンドのステージ見に行くんよ。で、たまたまHeartful Snowってグループが見えたの。
その時、昔よしがHeartful Snowってバンドをやってたって話してたから。
ひょっとして、と思って、さっきの人にチケット買うときに聞いたの。
じゃ、本人だってわかって。」
よしき「そりゃ、俺かってビックリだわ。ありがとな。優ちゃん。
でも、こうやって来てくれるって事は、何かあるやろ?左手の薬指に指輪してるし。」
優子「さすが。よしの洞察力は、ホントに私も参ります。
そう、今年の夏、結婚する事になったのよ。
相手は、普通の人。当たり前だけどね。で、その報告にと思って。」
よしき「そっか、優ちゃんも結婚するんかぁ。
俺は、まだまだやなぁ。笑」
優子「でもさ、今回のステージを見て思った。
4年前、お互いが転勤で静岡と札幌に離れ離れにならなかったらって。
あの時、遠距離は嫌だって言って別れたけど。
転勤がなかったら、どうなってた?」
よしき「多分、今頃は2人で生活してたと思うわ。
でも、これも運命。やっぱり、そこで結ばれなかったってのは、縁がないってことやて。」
優子「実はね、私もそう思う。
あの頃のよしって、色んな噂立ってたけど、ホントは私一途だってこともね。
だからこそ、お互い離れたくなかったのかもね。
私も、1年くらいは引きずったかな。
そんなこんなで、ちゃんと未来を見てって話してくれたのが、今の彼氏。
今日は、置いてきたけどね。笑」
よしき「でも、よかったやんか。結婚かぁ。いいなぁ。
俺は誰とやろうね?笑」
優子「あ、もうこんな時間かぁ。彼氏が待ってるわ。家で。笑
あ、そうそう。よしに言いたい言葉があるんだけど?言ってもいい?」
よしき「ん?どした?改まって。。。」
優子「もうすぐ、誕生日だもんね。Happy Birthday!よし。
最後のよしの曲を聴いてて、思わず涙出ちゃった。ありがと。」
よしき「そういえば、優ちゃんの誕生日、もう過ぎたんやんね。
Happy Birthday!優ちゃん。彼氏とこのまま、幸せにな。」

といって、優子は控え室を出て行きました。
ボスが入れ替わりで入ってくる。
ボス「何か、いい雰囲気やなぁ。」
よしき「何言ってるんですか?笑」
ボス「じゃ、早速、ジンギスカンで打ち上げやで!行くか!」


そう、Happy Birthdayと言えなくても、言える気持ちでいてあげられる事。
そのことが、ドンドン気持ちをあったかくさせていくと思います。
さて、次のLove Rainbowは、2/16の予定です。お楽しみに!


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